ISO会議開催状況 2006年「ISO/TC8(船舶及び海洋技術専門委員会)諮問グループ(AG)会議」

【ISO会議開催状況・概要又は主要議題】

会議報告の詳細は会員専用コーナーにてご覧になれます。

ISO/TC8(船舶及び海洋技術専門委員会)諮問グループ(AG)会議
並びに 同セミナーの開催について

6 月6 日(火)~6 月9 日(木)にノルウェー国トロンハイム市の" MARINTEK (Marine Technology Center)" において、ISO/TC8( 船舶及び海洋技術専門委員会)諮問グループ(AG)会議が開催され7 カ国( ノルウェー、イギリス、アメリカ、中国、韓国等)、1 機関(IMP A)から17 名が出席しました。日本からは、矢萩強志(本会常務理事:SC9 議長)、小郷一郎(本会職員:TC8 幹事)、林尚吾(TC8/SC6 議長:東京海洋大学)他2名の計5名が参加しました。主な概要を次項に記載します。詳細は、会員専用サイトをご覧下さい。
なお、次回の会議は2006 年10 月にドイツのハンブルグで、開催することになっています。

○背景
ISO/TC8 では、TC8議長が指名した各国の代表者によって、会議の運営やポリシーを話し合うために年に2回AG会議が開催されるとともにこれらの会議に付随してセミナーが開催されています。

○主な概要
●AG (諮問グループ) 会議( 6日及び8日開催)
a )前回AG 会議結果報告
前回のISO/TC 8 NY 会議の審議結果(決議文)並びにその後の動向について報告があり、了承された。
・ ISO/TC 8/SC 1 (防火分科委員会)でハンドリングをしている「Large yachts 」標準化
・TC 8 ビジネスプランの見直し

b)SC(Subcomm itee:分科委員会)からの報告
1)SC 1(救命及び防火分科委員会) Life saving and fire protection (USA)
・「Large y achts」標準化に関連してICOMIA が新しくリエゾンメンバーとして追加。
・サバイバルクラフト及びレスキューボート(ISO 18813 )、救命設備関係 2 規格(ISO 15736 及びISO 24408 )の計3 規格が制定された。

2)SC 2(海洋環境保護分科委員会)
・オイルスキマー関係規格(I SO 21070、ISO 21072)の進捗
・議長のMr. Angelo の辞職表明をしている
・次回会議は、来週2006 年 6 月 13~15 日にポルボー市(フィンランド国)で開催を予定

3) SC 3(配管及び機械分科委員会)
・次回会議は、9月又は10 月にハンブルグを予定しているが流動的である。
・日本提案のISO 9943 ギャレイ空調は、CD 投票を実施予定。

4)SC 4 (甲板機械及びぎ装品分科委員会)
・ISO 1704(アンカーチェーン)は、FDIS 投票を予定。
・ISO 22673(フリーフォールライフボート)は、DIS投票中
・次回会議は、TC8 本会議と同時開催として10 月ハンブルグを予定。

5)SC 5 (船橋配置分科委員会)
・ISO 8468(船橋配置)の改訂版が発行後、議長及び幹事が辞任予定。
・担当規格が少ないためS C6(航海) と組織統合予定

6) SC 6 (航海分科委員会)
・前回NY 会議においてSC 6 議長検討課題となっていた、ISO 16180(電気式航海灯)と CORLEG との比較検討結果について報告
・今後3rdDIS の投票が予定されているため内容のチェック並びに 投票結果について注視する。

7) SC 7 (内陸航行船分科委員会)
・レポート配布し、報告なし。

8) SC 8 (構造分科委員会)
・船体構造関係規格である ISO 18072 シリーズ(Ship structures -limit state assessment )の名称から「強度(strength) 」の記載を削除したい旨の提案があり、TC 8/AG として了承。

9) SC 9 ( 一般要件分科委員会)
・新ILO 条約に関する新業務項目提案(NW IP)調査結果に関するレポートを提出し、SC9 議長が同レポートのプレゼンテーションを行った。
・シップリサイクリングに関するレポートを提出し、後日プレゼンテーションを実施。
・次回は、10 月にハンブルグで開催。

10) SC 1 0(コンピュータアプリケーション分科委員会)
・EPC(Electronic Port Clearance:ISO 2 8005)のISO 標準化を審議する初回会合を予定。 11)SC

11)(インターモーダル及び短距離輸送分科委員会)
・ISO 28000(海事セキュリティマネジメントシステム) シリーズ規格作成に関する進捗状況の報告。

c)その他審議事項
1) 標準化教育Mr. Jeong Je K im(韓国) が中心となり取り組んでいる「次世代のための(標準化作業)Education」について、今後の方針を検討した結果、審議中の規格についてケーススタディを実施することになった。

2) TC8 ビジネスプランの改訂 T C8の方針、目標等について定めたビジネスプランについて、最近の市場実態等の現状を考慮のうえ、改訂することになった。

3) シップリサイクリング
TC8議長からの報告並びに矢萩 SC 9 議長のプレゼンテーションに続いて、審議が行われ、ISOに於ける"シップリサイクリング"の検討は IMO/Ship recycling Group の議長Capt. Ahmed 、TC 8 議長及び 矢萩SC 9 議長で協議を行ないながら進めることを AG として了承した。"シップリサイクリング" のハンドリングは SC 9から、TC 8 直属WGに移すことになった。

4)SC組織の見直し TC 8 傘下のSC の再編成が TC 8 議長から提案され、各国が持ち帰り検討することとした。主なSCは、次のとおり。

・TC 8/SC 2: 議長(検討中)・幹事国(USA)
・TC 8/SC 5→ 「Large yachts 」分科委員会に改組。旧SC 5 はSC 6 に統合)
幹事国ドイツ又はイタリアを。適用範囲はTC 8で検討。
・TC 8/SC 6:議長・幹事国共に変更なし(日本)、現行SC5 を統合
・TC 8/SC 8:議長(韓国→中国)、幹事国(韓国)


写真1 会議の様子

●TC 8セミナー(8日開催)
次の内容についてプレゼンテーションが行われた。その際の資料は、ここをクリックして下さい。
・ISO/TC8 の現状セキュリティーマネジメントシステム(TC8 議長 CAPT. Piersall)
・TC8の現状、規格策定の取り組み及び進め方( 迅速化の必要性等)、セキュリティーマネジメントシス テムに関する国際標準の作成状況について紹介があった。
・船舶用制御装置の試験及び承認のための新しいコンセプト(Asgeir Sorensen, Norwegian niversity of Science and Technology 教授)

コンピュータシステムを活用した推進機関等の新たなコントロールシステムの仕組み、考え方について 研究成果の報告及びDNVにおいて採用されているHardware-In-The-Loop (HIL) によるコントロールシ ステムの安全性及び性能試験について説明があった。

・MARINTEK の研究活動(Egil Rensvik, Senior Scientist)
MARINTEK の組織、施設、研究項目について説明があった。
・Remote and third part supervision of ship systems ? TOCC(Brage Mo, Senior Scientist, MARINTEK)
2006 年5 月から始まった推進機関のモニタリングデータの交換等に関わる研究のTOCC(Technical Operation Corporation Competents )プロジェクトについての紹介があった。
・船舶用デジタルVHF データの利用及び標準化(ThomasHirsch, Telenor Maritime Radio)
船舶用デジタルVHF データのノルウェー国内での使用状況、中継局の配置、標準化の目的等について説明 があった。
・ARKTRANS-A systematic architecture for modelling transport processes( Hans Westerheim, Senior Scientist, SINTEF ICT)
陸・海・空にまたがる輸送・移動手段のあり方、モーダルシフトの実施に関わるノルウェー国内で行った実験結果、EPC(電子ポートクラランス)との関連等について説明があった。

○当会の主な対応等
船のリサイクリング
作業のハンドリングが、TC8-SC9 からTC8が直属にハンドリングすることとなり、TC8内での重要度が高い。規格化の動きに乗り遅れないように今後の動向について関係者に必要に応じてつうちするとともに日本の関係者に必要なISO 規格を策定することとしている。

ILO 条約に関連した国際規格作成の推進?? SC9 の議長(本会矢萩常務理事)から調査結果の紹介があったが、現段階では、IL O条約と関連する新たな規格化項目は、ないことから特に対応は考えていない。

航海灯の国際規格作成について
前回の会議でTC18 8(舟艇)が作成中の電気式航海灯について規格化に反対していく方向をTC 8として打ち出すためにその対応を日本が議長国並びに幹事国を行っているSC 6が行った。調査結果から規格化を容認することとなった。一方、この規格は、3 rd DISの投票が予定されているので、国内関係者と協議のうえ、日本の投票行為を決定する。

ISO/TC8 のSC 組織の改組について TC8 議長から、SC の改組案が提示され持ち帰り検討となったため適否、関係各国の動向等について注視する。

◆本件に関する問い合わせ◆
( 財) 日本船舶技術研究協会
基準・規格グループ 長谷川 幸生
〒105-0003 東京都港区西新橋1-7-2 虎の門高木ビル5 階
Tel:03-3502-2130 Fax:03-3504-2350 E-mail:hasegawa@jstra.jp

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