第 7 回 ISO/TC8/SC8(船舶及び海洋技術専門委員会/船舶設計分科委員会)上海会議概要

第 7 回 ISO/TC8/SC8
(船舶及び海洋技術専門委員会/船舶設計分科委員会)
上海会議の概要

2014 年5 月28 日~30 日に中国(上海)において、第7 回 ISO/TC8/SC8 会議及び関連するワーキンググループ(WG)が開催されました。今次会議には 5 カ国(日本、韓国、中国、スウェーデン及びインドネシア)及び2 リエゾン(ISO/TC28/SC5(日本)、ISO/TC67/WG10/PT10(フランス))から約50 名の参加がありました。
日本からは、当協会基準・規格グループ規格ユニット規格チームの長谷川幸生が参加いたしました。
今次会合では以下のスケジュールで、28 日は中国が主導する案件を、また、29 日は韓国が主導する案件を集中審議しました。

開催日 AM(09:30-12:30)(議長国) PM(14:00-17:00)(議長国)
5 月28 日 SC8/WG9 ドア(中国) 振動及び騒音(中国)
5 月29 日 SC8/WG10 トリム・リストゲージ(韓国) SC8/WG11 低温試験(韓国)
5 月30 日 SC8本会議(韓国)

今次会合での討議結果概要は次のとおりです。

【討議結果概要】
1) SC8/WG9(中国提案): 中国提案によるドア関係4 つのISO 規格案のうち、ISO/WD6042
(船舶及び海洋技術-鋼製風雨密一枚戸)、ISO/WD17939(船舶及び海洋技術-オイルタイ
トハッチカバー)及びISO/WD17940(船舶及び海洋技術-ヒンジ付き水密戸)の3 規格につ
いて、WGコンビナーは8 月末までにDIS 案をTC8/SC8 事務局へ提出することになりました。
ISO/DIS17941(船舶及び海洋技術-油圧式ヒンジ付き水密防火戸)についてはWG コンビナ
ーは9 月22 日までにFDIS 案をTC8/SC8 事務局へ提出することになりました。なお、
ISO/DIS17941 に関してはISO ルールに基づき、FDIS 投票を省略して直接ISO 規格発行段階に進む可能性もあります。このほか、中国から、ISO5894(船舶及び海洋技術-ボルト締め
2蓋付マンホール。対応JIS なし)の改正に今後着手することが表明されました。これまでの
ドアに関する規則は、1966 年の満載喫水線に関する国際条約(LL 条約)しか規定されてお
らず、製造業者及び利用者に高い自由度がありましたが、これらISO 規格(各種ドアの種類
の区分け及び詳細寸法の明記)の制定に伴い、設計及び取引の制約を受け輸出入などに影響を及ぼす可能性があり注意が必要です。

2) 振動及び騒音(中国提案): 中国提案による振動(舶用機械のための振動防止設計法)及
び騒音(ポンプの水流によるパイプ内騒音特性に関する試験方法)に関する新規国際規格案
に関して討議しました。日本及びISO/TC8/SC8 議長の意見(主機など機関室内の音響総量か
ら見た場合、ポンプ内の音響は問題になるものではないこと、機関室内の環境下でこの試験
を実施することは難しいこと、また、パイプ自身の振動と水の振動とを区分することも難し
いところ、この規格案の目的としていることが分からないこと等)を反映したものにより、
7 月中旬を期限としてNP(新業務項目提案)投票を開始することになりました。

3) SC8/WG10(韓国提案): 韓国提案であるLNG 船用トリム・リストゲージ用傾斜計
(ISO19636)に関しては、今回会議の結果、日本製造業者による仕様の追加や実際の取引形
態への考慮を求める日本意見が概ね採用され、WG コンビナーは、改訂案(Working Draft)
を9 月1 日までに作成し、日本を含む各国エキスパートへ配布することになりました。また、
今後の作成スケジュールに関しては、DIS 段階へ2015 年9 月10 日までに、FDIS 段階へ2016
年3 月10 日までに、ISO 規格制定段階へ2016 年9 月10 日までに行うことになりました。

4) SC8/WG11(韓国提案): 韓国提案であるFLNG を対象とした低温暴露試験に関する新規国
際標準化に関しては、ISO/TC8/SC8/WG11 を設置し、ISO19681-1 として作成することになっ
ていました。しかし、ISO/TC67/WG10/PT10 において適用範囲が全く同じISO19489 の作成
が開始されたことを受け、ダブルスタンダード化を避けるため、ISO/TC67 リードの形のJoint
Working Group を新設置し、TC67/WG10/PT10 のProject Leader であるフランス(Technip
France)をConvener、TC8/SC8/WG11 コンビナーである韓国をCo-Convener として、統一し
たISO 規格作成を進めることになりました。

5) SC8 本会議: 5 月28-29 日開催の上記1)~4) の討議結果の確認が行われたほか、次回SC8
会議開催に関して、第2 回SDC と同時開催することになり、2015 年2 月中旬にロンドン(BSI)
で開催することになりました。

 この会議の詳細につきましては、会員専用ページ(https://www.jstra.jp/member/)をご覧ください。

ISO会議開催状況