ISO/TC8(船舶及び海洋技術専門委員会)パナマ総会概要

ISO/TC8
(船舶及び海洋技術専門委員会)
パナマ総会の概要

2014 年10 月27 日から31 日まで、パナマ国際海事大学(International Maritime University Panama)において、第33 回ISO/TC8 総会、TC8 CSAG(議長戦略諮問会議)およびTC8/SCs(TC8 傘下の分科委員会(Subcommittee))が開催されました。

この会議には日本、中国、デンマーク、ドイツ、イタリア、韓国、パナマ、ロシア、英国、米国の P メンバー及び関係団体である BIMCO およびIACS 等から約 50 名の参加者があり、日本からは、日本舶用品検定協会吉田 公一 氏(TC8/SC2(海洋環境保護分科委員会) 議長)、東京海洋大学名誉教授今津 隼馬 氏(TC8/SC6(航海及び操船分科委員会)議長)および日本舶用工業会スマートナビゲーションシステム研究会幹事長、寺崎電気産業株式会社諸野 普 氏に出席いただくと共に、日本における国内審議団体を務める当協会から、専務理事田中 護史 他担当者が出席しました。

10 月28 日~30 日に開催したTC8 総会では、TC8 傘下のSC(分科委員会)における活動状況に関する討議及びTC8 としての今後の活動方針等に関する討議等が行われ、主な審議結果は以下のとおりとなりました。

1) IMO(国際海事機関)のEEDI(エネルギー効率設計指標)に関連して我が国が改正案を提案したISO 15016(試運転速力補正方法)が10 月6 日~12 月6 日を投票期間とするISO 規格制定前の最終投票中であるところ、日本からこの投票への支援の要請を行い、TC8 として「メンバーに賛成投票の速やかな実施」を呼び掛ける決議を採択しました(TC8 Resolution 310)。

2) 日本舶用工業会のスマートナビゲーションシステム研究会で現在推進中(本会調査研究でこの研究を支援)の研究成果としてアウトプットが見込まれ、SC6 の予備作業項目(PWI: Preliminary Work Item)として登録されている「ISO/PWI 19847 実海域データ共有化のための船内データサーバー」および「ISO/PWI 19848 船舶機関、船体、荷役部のデータ標準」の2 件のISO 規格案の紹介を行い、2015 年3 月末までにNP(新業務項目提案)投票を実施することを合意しました。

3) 第 1 回ISO/TC8/SC13(海洋技術分科委員会)会議(議長:中国)が開催され、中国からSC13 の設置経緯、任務、今後の検討事項等に関するプレゼンテーションが行われました。中国は、①海洋観測、②潜水艇、③海洋利用に関するISO 規格を作りたい意向です。また、潜水艇に関し、①耐圧殻の安全性及び②同試験規格の2 件の規格を検討するためWG の設置を決定し、その他については、今後さらに検討することとなりました。

4) 今回のTC8 総会に先立ち新設置したISO/TC8/WG8(ガス燃料船作業委員会)に関する報告が行なわれ、LNG 燃料のバンカリングに関するISO 規格を策定することおよび近々、議長(米)から、規格のアウトラインが示される予定が報告されました。

5) その他、「極海域コード(Polar Code)に関するWG(ISO/TC8/WG9)」(議長は米)、「コンピューター利用に関するWG(ISO/TC8/WG10)」(議長は米)及び「浚渫船に関するWG」(議長は中)の3 つのWG の新設置が決定されました。

また、この年次総会に先立ち、今津隼馬東京海洋大学名誉教授が議長および本会が事務局を務めるSC6(航海及び操船分科委員会)のほか、SC11(短距離海上輸送分科委員会)およびSC13(海洋技術分科委員会)の3 つの会議が10 月27 日に開催されました。

 この会議の詳細につきましては、当会会員専用ホームページ(https://www.jstra.jp/member/)をご参照ください。

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